【多肉植物が枯れる原因】初心者でもわかるケア方法と復活のコツ

【多肉植物が枯れる原因】初心者でもわかるケア方法と復活のコツ

多肉植物が枯れてしまう原因は何か、どのようにケアをすれば良いのか、もし枯れてしまった時はどうすれば復活させることが可能なのか。初心者でも理解できるように詳しく解説します。また、枯れる前に適切なケアを行う方法や、多肉植物を長持ちさせるためのヒントも提供します。

1.はじめに

多肉植物はその見た目の可愛さや色とりどりの種類から、多くの方がベランダや庭で育てている人気の植物です。しかし、「枯れてしまう」「ジュレる」という状況に悩んでいる方も少なくありません。

多肉植物が「枯れる」、「ジュレる」という状態になる原因は様々です。適切な水やりがなされていない、日照不足、病気や害虫の影響など、これらは多肉植物が健康に育たない原因となります。

この記事では、多肉植物が枯れる主な原因とケア方法、そして復活のコツについて詳しく解説します。これから多肉植物を育ててみたいという初心者の方も、すでに育てているけれど困っている方も、ぜひ参考にしてみてください。

 

枯れたエケベリア
ジュレたエケベリア

2.多肉植物が枯れる主な原因

多肉植物の枯れる主要な原因は大きく3つに分けられます。それは、「適切な水やりがなされていない」「日照不足」「病気や害虫による影響」です。

(1)適切な水やりがなされていない: 多肉植物は水分を必要としますが、その量や頻度が適切でないと健康に育つことができません。水やりが少なすぎると生長が止まり、水やりが多すぎると根腐れを起こすことがあります。

(2)日照不足:多肉植物は太陽光を必要とします。日照時間が不足すると光合成がうまく行われずに枯れてしまうことがあります。

(3)病気や害虫による影響 :多肉植物は病気や害虫によるダメージにも弱く、それらによって枯れる可能性があります。

以上の3つが、多肉植物が枯れる主要な原因となります。それぞれの詳しい解説や対処法は次章で述べます。

 

(1)適切な水やりがなされていない

多肉植物が枯れてしまう大きな原因として「適切な水やりが行われていない」という問題が挙げられます。具体的には、水の与えすぎや与えなさすぎが該当します。

水を与えすぎると、多肉植物は根腐れを引き起こす可能性が高く、根腐れを起こすと結果として枯れてしまいます。これは、特に多湿な環境や梅雨時期によく見られます。逆に、水分が不足すると、多肉植物は生育に必要な水分が足りず、当然枯れてしまいます。ただし、乾燥に強い多肉植物は数ヶ月水を与えられなくても生き続けられる種類も多いです。

適切な水やりのタイミングと量は、多肉植物の生育型(春秋型、夏型、冬型)によって異なります。生育期には1〜2週間に1回、土が乾いていたらたっぷりと水を与えましょう。一方、休眠期には月に1回程度、天気などを見ながら水やりをします。

 

(2)日照不足

多肉植物が枯れる一因として「日照不足」があります。多肉植物は日光を好む植物で、十分な日照時間がないと「徒長」し、結果的に枯れてしまうこともあります。具体的には、日照不足により茎がヒョロヒョロと伸びたり、葉が横に広がってしまい、その結果苗が弱ってしまいます。

日照不足の対策として、日光が十分に当たる場所に植物を移動させることが有効です。また、直射日光が強すぎると逆に葉焼けの原因になるため、午前中の優しい日差しを当てたり、遮光するなど、工夫が必要です。

さらに徒長した場合の対策としては、葉挿しや胴切りで形を整え、水分と養分をしっかり吸わせることで、復活の成功率が上がります。

 

(3)病気や害虫による影響

多肉植物が枯れる原因の一つに、病気や害虫の影響があります。多肉植物は、特に「根腐れ」や「カイガラムシ」などに襲われやすいと言われています。

「根腐れ」は過度な水分により起こる病気で、葉が黒く変色する等の症状が現れます。一度根腐れになると治療が難しいため、予防と早期発見が大切です。水やりは土が完全に乾いてから行う、鉢底から余分な水を逃がすなどの対策が有効です。

カイガラムシ」は小さな虫で、葉と葉の隙間や葉の裏に発生し、乾燥した条件を好みます。虫の侵入を防ぐためには、専用の殺虫剤を使用して予防するなどの対策が必要となります。

以上の病気や害虫による影響を理解し、適切な対策を行うことで多肉植物の健康を維持することが可能です。

 

3.多肉植物が「ジュレる」現象の解説と対策

「ジュレる」とは、水分過多で多肉植物の肉厚な部分が膨張し、透明感のあるゼリー状になる現象です。これは根腐れの一種で、水やり過多や、通気性の悪い土によるものです。

「ジュレ」の見分け方は、葉が透明感がありゼリー状になっているか、また葉先から葉脈が白くなっているかを確認しましょう。「ジュレ」が進行すると葉全体が透明になり、最終的には植物全体が腐ってしまいます。

この現象を防ぐためには、適度な水やりと通気性の良い土を使用することが重要です。また、発見次第には腐った部分を取り除き、健康な部分を挿し木して再生させる方法もあります。

 

赤い矢印がジュレた葉
ジュレた葉を取り除く

(1)「ジュレ」とはどんな現象か

「ジュレ」とは、多肉植物が特有の現象で、主に寒さや乾燥によるストレスから植物自体が保護反応を示す状態を指します。具体的には、葉が透明感を帯び、プニプニとした柔らかさになることから、この名前がつけられました。さらに、全体が萎んでしまうこともあります。この現象は、多肉植物自身が内部の水分を保持しようとする生存戦略の一環です。対策としては、環境を整え、適切な水やりと日照量を確保することが必要です。

 

(2)なぜ「ジュレ」るのか

多肉植物が「ジュレ」るのは、夏の暑い日や氷点下など寒さにあたったとき起こりやすい現象です。また、植物の細胞内が水分過多により細胞壁が壊れて液体が滲み出し「ジュレ」る現象が発生します。

このように、「ジュレ」る現象は水やりの過剰や暑さ寒さ対策の不足が主な原因であると言えます。適切な水やりや温度や湿度への対策を心掛け、季節に応じたケアが重要であることを覚えておきましょう。

夏の暑さでジュレた葉

 

(3)「ジュレ」の見分け方と処置

「ジュレ」とは、多肉植物が枯れる際に見られる現象の一つです。この状態は、根元から葉先にかけて透明で柔らかくなり、タッチすると水分が染み出すという特徴があります。

「ジュレ」が起きる原因は、主に過度な水やりによる水分過多です。多肉植物は乾燥に強い植物であり、水分を過剰に与えると細胞が破壊され、結果的に「ジュレ」現象を引き起こします。

この状態を見分けるためには、葉の色や形状、触感を観察することが大切です。「ジュレ」状態の葉は透明で柔らかくなり、絶縁体のような感触を持ちます。

対策としては、まず水やりを控え、根元の土が乾燥するのを待つことが重要です。その後、健康な部分を挿し木して育て直すのが有効です。

また、梅雨の湿度が高い日や夏に気温の高い日が続くとジュレることがあります。
湿度の高い日は風通りの良い場所に置いたり、扇風機などで風を送ってなるべく土が早く乾くようにしてあげると良いです。夏の暑い日は遮光などで直射日光を遮り、多肉植物が熱くなりすぎないようにしてあげると良いです。対策として、なるべく水やりを控え、水やりをする時は天気予報を見ながら、気温の低い日や風のあるなどを選ぶといい良いでしょう。

 

4.枯れた多肉植物の復活可能性とその方法

多肉植物が枯れた場合でも、状況によっては復活させることが可能です。重要なのは原因を正しく特定し、適切なケアを行うことで、以下に復活可能な例とその方法を示します。

  1. 復活可能な原因とその方法

    ・水やり過多による根腐れ:すぐに水やりを止め、腐った部分を取り除きます。その後、1週間程しっかり乾かした後、新しい土に植え替えます。

          ・日照不足による弱った状態:少しずつ日光に慣れさせ、適切な日照時間を             確保します。

      2. 復活不可能な原因とその認識
 
          ・全体的に腐り進んだ状態:一部の健康な部分を挿し木や葉挿しで増やす方.            法が有効です。

    私たちが大切に育てている植物が枯れてしまうと悲しいですが、諦めずに適切な処置を行うことで、多肉植物は驚くほど復活力を発揮することがあります。そのため、枯れたと感じたらまずは原因を探し、適切なケアを心がけましょう。

     

    (1)復活可能な原因とその方法

    多肉植物が枯れてしまったと感じる一番の原因は「根腐れ」です。これは過度な水やりにより、根が水分過多となり腐ってしまう現象で、こうなると水分や栄養素の吸収が阻害され、植物全体が弱ってしまいます。

    しかし、根腐れが始まった段階であれば、まだ復活は可能です。まずは腐った部分を取り除きます。葉や茎の腐った部分はハサミでカットし、根の腐った部分は全て除去します。その後、もしあれば切り口薬剤を塗布し、しっかりと乾かした後、新しい土に植え替えることで、健康な状態に戻すことができます。

    以上の方法により、早期発見・早期対応によって、枯れかけの多肉植物を復活させることが可能です。

     

    (2)復活不可能な原因とその認識

    多肉植物が枯れる原因の中には、復活が困難なものも存在します。主な原因は「病気」と「害虫」です。病気に感染した多肉植物は、病気が完全に治らないと復活が難しく、感染した新芽が出てくることもあります。また、苗が弱っている場合、枯れてしまうことも多いです。害虫に関しては、多肉植物から吸汁する虫が多く、根に虫が発生すると根からの水分や養分の吸収が妨げられ、枯れてしまうことがあります。早期の害虫除去が重要となります。

     

    養生中のカイガラムシの被害にあった苗。
    小さな黒い点はカイガラムシの糞と思われる

    5.多肉植物を長持ちさせるためのケア法

    多肉植物を長持ちさせるためには、以下の3つのポイントに注意が必要です。

    (1)理想的な置き場所の選び方:多肉植物は日光を好む生物であり、置き場所は日当たりの良い場所が理想的です。また、風通しが良いことも重要で、湿気を防ぐために夏などは扇風機を使うこともおすすめです。

    (2)水やりの頻度と量:多肉植物は乾燥を好むため、水やりは土が完全に乾いた後に行うことが大切です。ただし水やりの量は、鉢底から水が出るほどたっぷりあげ、根元に水分はもちろん、新鮮な酸素や栄養を行き届かせます。

    (3)必要な場合の殺菌・殺虫剤の使用方法:病気や害虫によるダメージを防ぐため、必要に応じて殺菌剤や殺虫剤を使用します。使用する際は製品の指示に従うことが大事です。

    これらのケア法を守ることで、多肉植物は健康に育ち、長持ちします。

     

    (1)理想的な置き場所の選び方

    多肉植物の成長に最適な環境は「屋外」です。理由は、屋外では自然光を存分に浴びることができ、多肉植物にとって必要な日照時間を確保しやすいからです。特に、朝日を浴びる東向きや、午後の直射日光が強すぎない西向きの場所が理想的です。

    ただし、日照時間が多すぎると葉焼けを引き起こす可能性もあるため、夏場などは適度に日陰を作ることも大切です。また、雨風にも注意が必要で、風通しの良い場所である一方で、強風や冬季の霜などから保護する工夫も重要です。

    多肉植物は環境に適応力がありますが、その成長を最大限に引き出すには上記のような置き場所の選び方が不可欠です。

     

    (2)水やりの頻度と量

    多肉植物は乾燥に強い植物ですが、適切な水やりが必要です。頻度と量を誤ると枯れの原因となります。

    生育期は、葉がしわしわとした状態になったらたっぷりと水をやります。根から水を十分吸い上げさせるため、鉢底から水が流れ出る程度が目安です。

    休眠期は、水やりは月1回程度に抑えて、断水することもあります。これは、多肉植物が乾燥に強い環境で進化してきたためで、むしろ水を切ることで寒さに強くなります。

    一方、水やりの量は、鉢の大きさや植物の大きさにより異なります。観察しながら適切な量を見極めることが大切です。

    以上のような水やりの頻度と量の管理が、多肉植物を健康に保つための基本となります。

     

    (3)必要な場合の殺菌・殺虫剤の使用方法

    多肉植物の健康管理には、病気や害虫の対策が欠かせません。殺菌・殺虫剤の使用はその一部で、適切に使用することで植物を守ることが可能です。

    殺菌剤は主に病気予防に使用されます。植物にダメージを与える病原体を予め除去し、健康な状態を保つのに役立ちます。使用方法は商品ごとに異なるため、必ず製品の説明を読んでから使用してください。

    一方、殺虫剤は害虫対策に有効です。特に害虫に対する防御力が低い多肉植物の場合、定期的な使用が推奨されます。ただし、過度な使用は植物にも影響を与えるため、適度な使用を心掛けましょう。

    どちらも園芸店やホームセンター、インターネット通販で購入可能です。ただし、使用する前には必ず製品の説明をよく読み、適切に使用することが重要です。

     

    6.まとめ

    多肉植物の枯れる原因とそれぞれの対処方法を概観しました。枯れる主な原因は、適切な水やりがなされていないこと、日照不足、そして病気や害虫の影響です。水やりは頻度と量を適切に調整することが重要で、また日照についても理想的な時間を確保するための調整が必要です。さらに、病気や害虫に対する予防と対策も欠かせません。なお、「ジュレ」現象についても理解し、適切に対応することが求められます。「ジュレ」は多肉植物特有の現象で、その見分け方と処置法を知ることで、枯れる前に対策を講じることができます。枯れた多肉植物の復活方法もあるので諦めずに対策を試すことも大切です。最後に、これらのケアを継続し、長持ちさせることが大切です。